自転車で地域&人づくり
外国人選手の意見 第5回
外国人選手の意見 第5回

外国人選手の意見 第5回

こんにちは!

いつも真剣な主題について書いているので、今回はもう少し軽い主題にしようと思って、「外国人選手の意見」の第5回記事になった。

毎年の夏、全ての自転車ファンにとって、最重要なイベントはツール・ド・フランスだ。更にフランス人として、夏のない生まれてきてからずっと観慣れてきたツール・ド・フランスは、本当の夏ではないのだ。

しかし、日本人たちには知られていないだろうが、ツール・ド・フランスを放送するフランスのチャンネルは、日本を含めていくつかの国ではネットでも観ることができないので、仕方なく、Jスポーツで観ることにした。

自転車本場であるフランスのテレビでも、解説がつまらなかったり、適当だったり、もしくは間違えたりする場合が多いので、日本テレビにはそれほど期待していなかった。しかし、日本ではツール・ド・フランスがどういう風に見られているかを知りたかったし、展開のない平坦ステージを、どういう風に解説するだろうという好奇心もあって、面白いかもしれないと思いながら観てみた。

放送中、現地からフランス語のドキュメンタリー、生インタービューなどがいきなり送られてきて、私だけ分かっている言語が混ざってくる状況は変な感じだった。

先ず、自転車で有名な日本人は新城幸也と別府史之なぐらいしか分からなかった私は、Jスポーツを見て日本の自転車文化について初めて知ったことが多かった。勿論、偏見だったかもしれないが、正直言って、ローラン・フィニオン、ローラン・ジャラベールなどの解説に聞き慣れている私にとっては、「栗村修」とか「宮澤崇」とかは、ツール・ド・フランスについて割と詳しいだろうけど、きっとびっくりするほどでもないだろうと思っていた。

しかし、少し観てみたら、意外と話がうまく流れて、ミスもほとんどなく、初心者にも理解してもらえるぐらい分かりやすい解説だった。平坦ステージでも、タイムトライアルでも、山岳ステージでも、変わらずレース展開を詳しく分析してくれた。勿論、見えなかったり、言い忘れたりしたこともたまにあったが、「フランステレビよりも面白いかもしれない」と思うぐらい質の高い話だった。

フランステレビと何が違うかというと、先ず解説者が毎日交替すること。予算の問題に関わっているだろうが、結局各ステージを観ている詳しいファンにも、自転車に興味が湧きたての初心者にもその方が面白いし色々学べるだろう。フランステレビと違って、Jスポーツは「自転車文化の普及」という役目を担っている。

その役目で、展開の動かないときを使って、日本の自転車業界、自転車競技の基本、選手たちの生活、そして現場の人たちの行動について色々と説明する。フランスでは、平坦ステージのときは昼寝を避けられないが、Jスポーツはさすがにずっと面白くて目が覚める。

日本の自転車業界は、各プレーヤーが協力せずに自分の利益のことしか考えないパターンが多いが、ロードレースの放送は、自転車のファン、ということは全体的に自転車業界のことも考えてくれていると感じた。自転車競技に興味がある方に、Jスポーツでロードレースを観てみることをお勧めする。ソファーから動かずロードレースというスポーツの難しさと楽しみを知るには最高な機会だろう。ツール・ド・フランス以外にも、色々ロードレースが観られるよ!今晩こそ、「クラシカ・サンセバスティアン」というスペインにおけるワンデイレース、続いて8月下旬からは「ブエルタ・ア・エスパーニャ」という3つ目のグランツールが放送される。

そして、自転車競技がまだマイナーなスポーツという現状の中で、「何がきっかけで自転車に興味を持った」と日本人の若手に聞いてみると、「ロードレース観戦」がよく挙げられるが、1番は「漫画」だということに驚いた私がいる。自転車のことを知る手段として、フランスでは「漫画」が1回も挙がらないに違いない。「文学がきっかけで自転車を始めた」というフランス人はいないと思う。それは、日本でも長所があるということだ。本場から学んで、日本の特徴も考えて、今よりもサイクリングに優しい環境を作っていくことができると思う。

さて、自転車競技、そして自転車そのものの楽しみを大勢の人に伝えてあげて、日本の素晴らしい地形で自転車を盛り上げるように頑張ろう!