外国人選手の意見

5月 28 2018

外国人選手の意見 第9回

(c) TOJ2018

ゴールスプリントで起きる落車:どうすれば避けられる?

 

昨日、ツアー・オブ・ジャパン東京ステージを観戦してきましたので、そのついでに、オープニングレースとして行われていた実業団レースで先月までトレーニングを指導していた若手選手の走りも見てきました。しかし、出走していた3人全員落車の影響を受け、そのうちの一人は骨折の恐れもあるなんて酷い結末となりました。落車の事情についてはなんとも言えませんが、色々とまとまらない話を聞いたり、読んだりして、決して軽視できる話ではないので、少し整理をする必要と感じました。

TOJのプロ選手たちが120キロにわたり回り続ける7キロの周回コースを利用し、9時15分からアマチュアの選手たちを集めているE2クラスターとE1クラスターの2レースが、それぞれ3周回(21km)と4周回(28km、最終的にE2と同じく3周)にて競われました。2レースとも逃げができないまま、ゴールスプリント勝負になり、ラスト1kmで大落車が起きました。そのあと、多くの観戦客が訪れたTOJの東京ステージでは、何の落車もなく熱いレースが無事に開催できました。

実は、コースを見たとたんに、「それは絶対に落車する」と予想していました。間違いたかったですが、案の定落車が起きてしまいました。

 

要素1:競技者の技術が問われる。選手側は責任感を忘れてはいけない。

勿論、そう考えると、一番最初に思い浮かぶのは、選手の技術の差。「プロ選手は走り方が正しいからスムーズに勝負できるけど、アマチュアの選手は基本すらできていない上で命にリスクを負ってまでレースしている当然の結果だろう」なんて読んだり聞いたりしました。そして全ての原因を調べようともせずに、身体傷害が多く発生していることから自転車競技が危険なスポーツだと結論を下す、「安全第一」にこだわっている日本の警察もいます。(それが良いか悪いかを別として)

それは間違っているとは言えません。しかし、それを落車のたった一つの原因にするまでは、結論付けが少し早いと思います。選手側の責任があるのは否めないことですが、他にも原因がないか、改めて考えてみましょう。

 

要素2:位置争いに関われる人数に限界がある

もう少し考えてみると、スムーズにいったTOJのゴールスプリントとアマチュアのゴールスプリントは、技術以外にも違いがたくさん見つかります。先ず、チームが組織的に動いていることで、狙いに行く選手は各チームのエーススプリンターに絞られています。早い段階から、各チームの位置争いが激しいですが、ラスト1kmに入った時点で、勝負に関わる選手が既に減っている状態です。つまり、最後の直線で全選手が同時に上がろうとするのではなく、位置取り争いに関わっている人数がラスト5~10kmに渡りスムーズに配分されています。

従って、組織的に動いていないアマチュアレベルでは、どうすれば位置争いの密度を減らせるのか?というのが正しい質問だと思います。

 

要素3:コーナーがあると、集団が伸びる

先ずは、危険なコースはそれで危険ですが、コーナーがあることによって、集団が伸びるので、密度が減ることにも繋がります。逆に言うと、コーナーのない、道幅の広いホームストレートの方が安全だと思うかもしれませんが、道幅が広ければ広いほど番手を上げる余裕が出るので、番手を上げる動きをする選手の人数が増えます。そうなると、集団の緊張感が増えるので、落車の可能性が上がります。それに関するリスクを下げるには、大人数のスプリント勝負になりそうな場合は、ラスト2キロ辺りで道幅が狭い区間を入れるのが良いかもしれません。

 

要素4:力の差が少なければ少ないほど、集団の密度が高い

選手の技術が上がれば上がるほど勝負が安全と思うかもしれませんが、実は世界最大のレースであるツール・ド・フランスも同じく、集団の密度の問題で第1ステージのゴールスプリントでの落車の比率が圧倒的に高いです。それ以降のステージでは、密度が少し減ることで、スプリントでの落車の比率が減る傾向があります。第1ステージでは、全ての選手はフレッシュな状態で最後の勝負に入るので、「チャンスだぞ」と考える選手が多いからです。距離や難易度を上げることで、色々なレース展開が生まれます。集団スプリントで勝負が決まることが確実ではないので、逃げを狙う必要が出てきて、大集団のスプリントになった場合でも、最後の勝負に関われる選手が少なくなります。

 

まとめ:とういうことは、どうすればいい?

JBCFのレースの場合でも、草レースの場合でも、上記のことは全く考えていない気がします。技術の足りない選手を、21キロしかない、テクニカルでもない、道幅が広いコースで競わせるのは、落車が生まれる可能性が圧倒的に高いのです。難易度の低いレースは距離を60km以上に持っていかなければ、展開がなくて力の差がないままゴールに突っ込んでしまうので、落車に繋がる責任は主催側が負うべきだと思います。21kmのレースだけで、集団走行の経験が積めるわけではないので、同じ問題が繰り返されるだけです。

しかし、選手側も責任感が全くないようです。単にロードレースとは何か理解度が足りないからだと思います。それも、学べる環境が揃わない限り、なかなか改善が見込めません。選手に、現在どのような環境を揃えているか、それが本当に良い環境なのか、考え直すべきところがないのか、自転車競技界を管理しているJCFとJBCFに考えて頂きたいところです。

 

3月 02 2018

外国人選手の意見 第8回

先日、沖縄でJプロツアーの開幕戦に参戦してきました。(レースレポートはこちら、チームのレポートはこちらとこちらです)

当会場での初開催、そして沖縄での初開催ということで、Jプロツアー及び国内の自転車ロードレース業界にとっては、自転車ロードレースの幅を広げるという意味では大きな進歩が出来たと言っても過大ではないでしょう。

一部公道を利用したコースでこんな質の高い大会を無事に開催できたのは、多くの関係者やボランティアの方々の動力の結果なので、先ずはこのイベントを実現することに貢献した関係者の方々に感謝しなくてはいけません。沖縄には、参加したことはないが好評しか聞いたことがないツール・ド・沖縄がありますが、ツール・ド・沖縄だけで自転車に対しての理解度を上げられているかというと、そうではないので、この2つの全国規模の大会の元に、沖縄でレーススケジュールと言えるぐらいのものが少しずつ発生し、県民の理解度も上げていくという好循環に繋がることを願っています。

但し、この開催が出来たのは当然、とても幸いなことだといえども、主催側の動力とは関係なく、大会の質に悪影響を与えた点、または自転車業界の発展に繋がったとは思えない点もありました。良かった点は良かったということで、この場では弱点にフォーカスさせて頂きたいと思います。

 

安全対策が危険を加えるという意外な矛盾

4.5kmの周回コースの中では、両側に深い溝がある区間がありました。そこにホイルが挟まらないように、全面両側に工事コーンが並べていて、集団走行では非常に危険でした。そして溝のところだけでなく、工事があった区間にも(工事のことは別にして)、全く何も問題ないはずだった登り区間に入る手前にもコーンが多数置いてありました。幸い落車はありませんでしたが、特に短距離で集団の緊張感が高かった一日目では、落車に繋がりそうな動きを何回か見かたし、オンボードカメラにも何回か映っています。

恐らく、「溝に落ちるよりはコーンにぶつかるのがまだマシだから、ないよりはあった方が良い」という考えでしたが、実際に集団走行を知っている人は、そう思えません。溝がある場合は、勿論そもそも横に余裕がないので危険ですが、コーンの場合は、コーンがあるところもないところもあって、集団で走っている選手はコーンがないところ(次のコーンまでの間)を使いがちです。そうなると、次のコーンにぶつかりやすくなります。そして、溝と違って、コーンが真っすぐ並べているわけではないので、先が見えない集団走行では、コーンの位置を予想することが出来ません。特に、コーンに当たって動かしてしまうこともありますから。また、コーンにぶつかったからと言って、溝にも落ちるリスクがないわけではないし、大落車に繋がる危険もあります。

ただ、主催側が危険なことをしたということではありません。恐らくですが、主催側、またはJBCFの中には集団走行の経験がある方もいらっしゃると思うので、コーンを置いた方が危険だと思った方はいたと思います。しかし、溝があるから危険なので、何か対策をしないと開催をさせられないと、警察からの声があったのが原因ではないかと思います。

その場合、「参加者の安全」よりも、警察が「何かあった場合の責任」を考えたのではないかという気がして、そういう考え方は本当に正しいのかというと分かりません。(または警察が集団走行においての危険~安全を理解していないのも原因かもしれませんが、その場合は知識のある方に頼ってほしいところです)

ロードレース大会の開催に限らないことだろうと思いますが、公道が当然なフィールドになっている自転車ロードレースの発展においては、警察の理解度(ということは社会の理解度)がまだとても低いことが分かります。

今回は「ロードレースでは何が危険、何が安全」に関しての知識不足という意味での理解不足の話ですが、「ロードレースには社会に対してどんなメリットがあるか」といった点等にも理解して頂きたいところもあります。

まるで予算順の着順となった今大会

沖縄で開幕するということで、気温が暖かい、合宿と合わせられる、新たな環境で走れるという、様々なメリットが生じます。しかし、そんなメリットには価格もあります。本州での遠征よりは、航空券、レンタカーまたはフェリー等の出費が加わり、3倍ぐらいかかるといっても過大ではないし、2019年からチームの負担が増える(こちらを参考に)と考えると、ほとんどのチームにとっては今回の大会に参戦することが軽視できることではない、むしろ危険なことです。

簡単に表すと、フールメンバーで参戦したのは宇都宮ブリッツェンのみです。那須ブラーゼンとシマノレーシングは1人の選手が怪我を治療しているため7人の出走でしたが、それとブリヂストン以外全てのチームは最低限の出走人数での参戦(ヴィクトワール広島、私たち東京ヴェントス)か、選手負担の遠征にすることを決めました。更に、単純に参戦しないことにしたチームも多数ありました(リオモベルマーレ、キナンサイクリングチーム、去年首位のマトリックスパワータグ)。公平性という意味では、満足できる状況ではないでしょう。

そもそも各チームの中で体力の差が大きい日本のプロ?チームを集める大会ですが、更に金銭的な負担をかけて人数の差も拡大させると、スタート前から展開も着順もほとんど決まっている大会になってしまいます。フールメンバーで参戦していたチームが一日目は8位まで、2日目は6位まで上位を独占しました。その中でも、2日とも着順が予算順になっています(ブリッツェン、ブリヂストン、シマノ、ブラーゼン)。Jプロツアーは、「栄光のジャージを掴む為に、すべてを懸けたJライダーのドラマ」と誇っていますが、今回は大規模のチームが小規模のチームを潰している他にドラマが見られませんでした。

国内しか目指さないと、海外しか目指さないチームに別かれつつある日本国内トップチーム

先週末で気になったことがもう一つありました。国内最高峰を誇っているJプロツアーには数多くのチームが参戦しないことを決めた中、同会場で開催されていたオープン参加の市民レースには学連首位の鹿屋大学、アジアツアー1位を目指している愛三工業レーシングチーム、そして全日本チャンピオンまでの参加があったことです。

所属しているチームが登録していないからそれは当然の結果、と言われると思いますが、実は2~3年前は日本のトップチームにとって日本のトップリーグのJプロツアーに参戦することが当たり前のことでしたが、現在はそうでもない、むしろ更にそうでなくなる傾向があります。

今大会だけでいうと、日本のトップチームの中では参加していなかったチームが以下の通り:

・Nippo-Vini Fantini(特別枠)不参加 (未登録) ・Team Ukyo  不参加 (未登録) ・Kinan Cycling Team 不参加 ・Bridgestone Cycling 参加 ・Matrix Powertag 不参加 ・Utsunomiya Blitzen 参加 ・Aisan Racing Team 不参加(未登録) ・Shimano Racing 参加 ・Interpro Stradalli Cycling 不参加(未登録)

勿論、本州に戻った時点で参加人数が少し増える予想ですが、今回は負担が少しだけ上がった結果なので、2019年以降チームの負担が2~3倍上がると考えると、そしてJプロツアー登録に関わる出費が合計500万円に近い割にUCI登録が80万円「だけ」にという状況になると考えると、国内で戦いたいチームと海外を目指しているチームの2組にはっきり別れていくのではないかと思います。

そうなると、トップPでないチームが登録できなくなることに加えて、登録費の増額が登録チーム数の落下に繋がって、発展する代わりに崩れてくるパターンがとても見込めるのではないかと強く思っています。

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12月 20 2017

外国人選手の意見 第7回

こんにちは、Jプロツアーで戦っている東京ヴェントスの選手、そしてコーチでもあるトムです。

最近、プロ選手らしい練習を再開させたため、そして内部の仕事でかなり忙しくなったため、時間の余裕を求めるブログの更新がなかなかできない状態が続きました。

そんな中、先日、日本国内の自転車ロードレースを代表している「Jプロツアー」の方針が、運営会社JBCFによって発表されました。その時、担当しているチーム練習が予定されていたため、今年は欠席させて頂いて、後から二戸監督に発表会の内容を伺いました。内部で色々と噂が流れていた通り、2018年を準備期間としていて、2019年からJプロツアーの登録規定、ということは全体的な方針が大きく変化されるようです。

選手活動の面でも、チーム運営の面でも、私の活躍がそのJプロツアーに大きく関わっていて、自分の将来に影響を与えるぐらいの変化でもありますが、それよりも、日本の自転車界全体が大きく変わることを予想できるので、それについて強い意見を持っています。

加盟規定の更新を図る理由として、JBCF側は、競技としても興行としても自転車ロードレース界の価値を高めるために、日本のロードレースをプロスポーツとして定着させていく必要があると判断して、新たに加わった規定が欠かせない条件だと説明しています。

本場ヨーロッパと違って、日本のスポーツ業界には公的機関からお金が入っておらず、興行の面を発展させていかないとスポーツ自体が盛り上がらないのは日本の事実です。自転車ロードレースもそれと変わらず、ロードバイクに優しくない環境、社会、文化の中で活躍していくことが非常に難しいです。

但しその反面、日本国内のシステムが独自になりすぎると、長期的な定着に要される国際化がまた難しくなって、競技レベルが上がらずスポーツ自体も盛り上がっていかない場合が出てきます。それは日本自転車界の現状です。JBCFを運営している方々も勿論、それに意識しているだろうし、意識しているからこそ基準を改善させようとしているでしょう。

しかし、長期的な発展を目指すのであれば、特に外から投資がほとんど入ってこないスポーツとして、お金の循環を上手く考える必要が出てきます。

 

さて、具体的に話しましょう。主な変化は以下の通り:

・2019年のJプロツアーチームは最大20チームとする

現在22チーム、それほどの変化はありません。但し、新しい登録規定では20チームも登録できるかどうかが本当の問題になってきます。

・チームは運営法人が行い、法人登記を必須とする

恐らく国際基準(UCIコンチネンタル登録基準)に合わせるための規定なので、正当な規定でしょう。

・運営法人の本社所在地をチームのホームタウンとする

そこは、「チームのホームタウン」は何かを明らかにする必要があるということなので、あくまで「ホームタウン」が必要になってくると予想できます。現時点では、国際プロ化を進ませた地域密着型チームは2つのみ(宇都宮ブリッツェン、那須ブラーゼン、両方とも自転車の県と呼ばれている栃木県で自転車文化を盛り上げることに成功しつつあるチームで、全国唯一の例)。他のチームは、運営法人に本社所在地はありますが、「ホームタウン」と言えるぐらいのものはありません。将来、地域密着型化を義務付けるということであれば、地元を見据えていないそういったチームを無視することになってしまい、国内プロサイクリングを代表するはずな「Jプロツアー」と国際プロサイクリングの差が更に広がるでしょう。現時点でも、その現象が起きつつあります(去年、総合優勝を果たした、現在アジア首位のチーム右京、今年アジアツアーを転戦している愛三工業レーシングチームとインタープロサイクリングアカデミーがJプロツアーをスキップすることにしました)。

・外国人選手の出走は1チーム2名まで

自分自身日本在住の外国人選手として、非常に不利な条件でもありますが、それ以上に、日本の自転車界における全てのプレーヤーが「自転車選手は本場に触れるなければいけない」と満場一致で認識しているにも関わらず、日本の国内自転車ロードレース界に魅力を感じている本場から来た選手に制限付けることは矛盾にしか思えません。本場フランスのアマチュアシリーズ戦(DN1フランスカップ)において、同じくアンダー26歳か外国人選手を2名までにしていますが、フランスの自転車界には本場を知る必要はないので、理由は一致しません。

・チーム運営を専任で行うマネージャーを1人以上置く

・チーム登録料は年間200万円(税抜、今までは税抜100万円)

・1チーム2名以上の選手に月15万円(年180万円)以上の報酬を支払う

上記の3つの条件はすべて、新たに加わった規定で、それに備えるための準備期間が9か月ぐらいとされています。2017年までの規定で言うと、遠征費を除いて、Jプロツアーに参戦するために、110万円前後が必要だったと言ってもいいでしょう。しかし簡単に計算してみると、2019年以降は、それが8倍(!!!)近くになってきます。

2019年から、Jプロツアに登録している上で必要となる年間費(最低、遠征費を除いて)

・チーム登録料税込                                                                …

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10月 26 2017

外国人選手の意見 第6回

最近、外国人選手の意見を書く暇はなかなか見つからないが、東京ヴェントスの運営に関わらせてもらった9月中旬から、日本の自転車界を新たな目線で考えることができて、思ったことはたくさんありました。

その一つは、若手選手の育成について。現時点では、若い頃から国際シーンの基準を満たす育成ができる環境は日本にありません。その考えの基、「海外で走ってみたい」と思っている高校生がほとんどです。そして、海外で育成させるのが当然最も効果的な育成と思っている監督、コーチ、元プロ選手もほとんどです。なので、毎年、日本の最も強いジュニア選手、そしてその例に憧れて、自転車競技の経験のない、普通に弱いジュニア選手が何人か海を渡っていきます。

ボンシャンス、エカーズ、チームユーラシア、そして色々な代理人が海外に挑戦する機会を作っています。対象の選手は基本的に、年齢は17歳~20歳の間、場所はフランスとベルギーが90%。自費で海を渡るのは99%の選手。

フランスの例で説明します。フランスでは、18歳までは、年齢のカテゴリー分けで走ります。しかし、ジュニア(17~18歳)からは、ジュニアレースに加えて、レベル順でいえば3、2、1、レベルのカテゴリー分けのレースにも参加できるようになります。そのため、参加できるレースの範囲がとても広くなります。

海外で走る日本人選手は、年齢を問わず、カテゴリー3から始まるのがほとんどです。カテゴリー3というのは、一番下の競技レベルなので、本気で走っているのではなくて、ホビーレーサー向けのカテゴリーです。しかし、海外1年目でカテゴリー2に上がれない日本人選手は半分以上。別に弱いからだけではなくて、戦略、走り方、フォーム、体力、ということの基本的な技術はまだ身に付いていないからです。せっかく日本から海外の自転車競技を経験するために来たにも関わらず、1年にわたってホビーレーサーの他に相手がいなかったという例がほとんどです。技術のある相手選手と一緒に走りたいなら、カテゴリー1で走る必要があるが、そうするとすぐに千切れる選手がほとんどで、有力選手だけといっても、勝負に絡む機会はありません。

そう考えれば、せっかくフランスまで行くのは、本当に割に合いますか?フランスの自転車界が分かる人には、この矛盾がすぐに分かります。

日本人選手が特に弱いわけでもありません。今年のU23世界選手権は、序盤にできた逃げ集団には2人も入っていました。しかし、詳しく見てみれば、ネイションズカップに参加した6人の選手の中、5人が国内で活躍しています(もう一人は途中で国内チームに移籍してきました)。

新城幸也(33歳)と別府史之(34歳)以外には、海外の道を使って成功した例がないのは事実です。この2人がプロに上がったのは、そろそろ10年前の話になります。

文化、言語、基準、走り方、全てが違う、日本人に適応していない環境で無理やり一人で活躍しても、身に付くことが本当にあるのかは大きい疑問。その反面、既に国内外で成績を出している選手が世界の舞台に挑戦するというのは、当然なことですが。

なので、海外に憧れている選手達、そしてそれ以上、自転車競技の経験豊富な監督達などが、同じぐらいの動力を国内の方に向けた方が、日本国内で育成できるようになると共に、日本の自転車界が全体的に発展していくのではないでしょうか。

「海外に行って、自分がダメということに気づいた」とか、「17歳の頃、チームの寮に引っ越して、支えてもらわなくなって自転車を辞めようと思いました」とかのような話は、日本の選手から何回か聞きました。海外でハイレベルスポーツ競技の活躍に適応できる選手がいるとすれば、才能の話はともかくにして、それに苦戦して諦める選手もいます。

ということで、海外で行う活躍を考え直して、国内で育成できる環境を作ることに集中してほしい。

そして最後に、若手選手へのメッセージです。

早くだけ海外に挑戦したい、なるべく早くPで走りたい、と思うのは当然ですが、自分が長期的に、最後的に目指していることを忘れずに、それは本当に正しい段階か、準備が本当にできているか、そしてタイミングが本当に合っているか、としっかり考えてほしい。自分が出来ると思い込んでいても、海外レベル、そして国内トップレベルは甘くない。詳しく見てみたら、完走すらできなくなって、弱くなっていく選手が非常に多いし、モチベーションを失って諦める選手もいっぱいいます。国内で優勝している選手だって、海外で簡単に成功しているわけではないから。

しかし、自分の可能性を信じて、野心を持つのは、成功に欠かせないことなので、自転車競技で食べていけるようになりたい、ツール・ド・フランスで優勝できるようになりたいと思っている選手は、自転車の楽しみを忘れずに、徐々にステップアップできるように応援しています。

7月 29 2017

外国人選手の意見 第5回

こんにちは!

いつも真剣な主題について書いているので、今回はもう少し軽い主題にしようと思って、「外国人選手の意見」の第5回記事になった。

毎年の夏、全ての自転車ファンにとって、最重要なイベントはツール・ド・フランスだ。更にフランス人として、夏のない生まれてきてからずっと観慣れてきたツール・ド・フランスは、本当の夏ではないのだ。

しかし、日本人たちには知られていないだろうが、ツール・ド・フランスを放送するフランスのチャンネルは、日本を含めていくつかの国ではネットでも観ることができないので、仕方なく、Jスポーツで観ることにした。

自転車本場であるフランスのテレビでも、解説がつまらなかったり、適当だったり、もしくは間違えたりする場合が多いので、日本テレビにはそれほど期待していなかった。しかし、日本ではツール・ド・フランスがどういう風に見られているかを知りたかったし、展開のない平坦ステージを、どういう風に解説するだろうという好奇心もあって、面白いかもしれないと思いながら観てみた。

放送中、現地からフランス語のドキュメンタリー、生インタービューなどがいきなり送られてきて、私だけ分かっている言語が混ざってくる状況は変な感じだった。

先ず、自転車で有名な日本人は新城幸也と別府史之なぐらいしか分からなかった私は、Jスポーツを見て日本の自転車文化について初めて知ったことが多かった。勿論、偏見だったかもしれないが、正直言って、ローラン・フィニオン、ローラン・ジャラベールなどの解説に聞き慣れている私にとっては、「栗村修」とか「宮澤崇」とかは、ツール・ド・フランスについて割と詳しいだろうけど、きっとびっくりするほどでもないだろうと思っていた。

しかし、少し観てみたら、意外と話がうまく流れて、ミスもほとんどなく、初心者にも理解してもらえるぐらい分かりやすい解説だった。平坦ステージでも、タイムトライアルでも、山岳ステージでも、変わらずレース展開を詳しく分析してくれた。勿論、見えなかったり、言い忘れたりしたこともたまにあったが、「フランステレビよりも面白いかもしれない」と思うぐらい質の高い話だった。

フランステレビと何が違うかというと、先ず解説者が毎日交替すること。予算の問題に関わっているだろうが、結局各ステージを観ている詳しいファンにも、自転車に興味が湧きたての初心者にもその方が面白いし色々学べるだろう。フランステレビと違って、Jスポーツは「自転車文化の普及」という役目を担っている。

その役目で、展開の動かないときを使って、日本の自転車業界、自転車競技の基本、選手たちの生活、そして現場の人たちの行動について色々と説明する。フランスでは、平坦ステージのときは昼寝を避けられないが、Jスポーツはさすがにずっと面白くて目が覚める。

日本の自転車業界は、各プレーヤーが協力せずに自分の利益のことしか考えないパターンが多いが、ロードレースの放送は、自転車のファン、ということは全体的に自転車業界のことも考えてくれていると感じた。自転車競技に興味がある方に、Jスポーツでロードレースを観てみることをお勧めする。ソファーから動かずロードレースというスポーツの難しさと楽しみを知るには最高な機会だろう。ツール・ド・フランス以外にも、色々ロードレースが観られるよ!今晩こそ、「クラシカ・サンセバスティアン」というスペインにおけるワンデイレース、続いて8月下旬からは「ブエルタ・ア・エスパーニャ」という3つ目のグランツールが放送される。

そして、自転車競技がまだマイナーなスポーツという現状の中で、「何がきっかけで自転車に興味を持った」と日本人の若手に聞いてみると、「ロードレース観戦」がよく挙げられるが、1番は「漫画」だということに驚いた私がいる。自転車のことを知る手段として、フランスでは「漫画」が1回も挙がらないに違いない。「文学がきっかけで自転車を始めた」というフランス人はいないと思う。それは、日本でも長所があるということだ。本場から学んで、日本の特徴も考えて、今よりもサイクリングに優しい環境を作っていくことができると思う。

さて、自転車競技、そして自転車そのものの楽しみを大勢の人に伝えてあげて、日本の素晴らしい地形で自転車を盛り上げるように頑張ろう!

5月 19 2017

外国人選手の意見 第4回

今日は、フランス遠征に向かう直前、日本においてサイクリングを管理している組織についてブログを書いた。

この記事は、前から書くつもりだったが、日本ではサイクリングの組織が雑然すぎて今でも全て身に付いたとは言えない。

今まで、世界中で走ってきたが、UCIによる公益財団法人自転車競技連盟が大会を開催しない国を一つしか見つけなかった。日本だ。

日本では、公益財団法人連盟ではなく、いくつかの私設法人によって自転車競技が開催されているということで、日本の自転車界は自由主義というシステムである。経済では、自由主義は当然なシステムのように考えられる。お金を目的にする自由市場では、会社が売り上げに通じて競争する結果、物価が下がると共に、品質が上がるはずであるといわれている。しかし、スポーツ競技では、お金を目的に考えないはずなので、そういったシステムは相応しくないだろう。

フランスでは、100年以上にわたってFFC(フランスサイクリング競技連盟)がサイクリング界を管理してきた。もちろん、それぞれの地域による地域連合会もあるし、他の国内連盟もあるが、自転車競技は全て、基本レベルから国際レベルまで、子供からベテランに及ぶ範囲を対象に、公益財団法人自転車競技連盟によって管理されている。

では、何故このような相違点があるのか?自転車競技を含めて、日本のスポーツ界では、「実業団」という組織がある。「実業団」というのは、競技と会社を繋げるシステムである。野球のように盛んなスポーツの現状から考えてみると、うまく動いているように見える。部活、学連、そして実業団、日本人野球選手には世界への道がほぼ決まっている。

自転車競技における実業団を管理しているのはJプロツアーという組織である。私設法人組織として、利益を目的にしている自由市場によって動くJプロツアーのような組織は、スポーツ競技と共通点がある。例えば、スポーツを発展させるにも、利益をするにも、選手の人数、大会の数などを増やすことが必要である。

ところが、共通点があるとしても、目的は違う。公益財団法人連盟は、利益したお金で、選手、レースの開催者など、つまり自転車界に関わっている他のプレイヤーに向けて投資する。結果としては、エントリーの値段が下がったり、ライセンスの価格が下がったりする。それゆえ、フランスではエントリーが1000円かかるレースは高いと言う。その反面、簡単に言えばただの会社なので、私設法人連盟は、利益したお金で、更に利益をしようとする。無限な悪循環だ。

私設法人連盟は「自転車が発展するには、社会にだんだん自転車の興味をわかせて、メジャースポーツとしてサイクリングを盛り上げることしかない」という論法だ。経済の場では、当然な論法だろうが、サイクリングは経済と違って、単純に売ったり買ったりするものではない。自転車競技に関する需要が増えるからといって、自転車競技全体が発展するわけではない。

私だけではなく、外国の状況を知っている人々はほとんど全員同意だし、尚更、この意見に賛成していながらJBCFに参加している人はとても多くいると思う。その矛盾は、チーム、主催者、選手など、つまり現場で動いている全てのプレイヤーに与えられるお金をJBCFが独り占めしていて、独占状態を作っているからにほかならない。

日本首位を狙っている前年の総合優勝チームが、国内最高峰の大会に登録することもないのは、普通だと思うか?

勿論、JBCFに限らず、JICF、ホビーレース 、つまり全ての私設法人連盟でもそうだ。12キロを回る学連レースが5000円もしたり、15キロほどのヒルクライムが1万円を超えたりすることは普通ではない。日本の社会全体がそういう風に動いているから、スポーツの世界でもそうだと思うかもしれないが、スポーツはビジネスに限らない。ある程度からは、政治の問題と違って、協力状態を立てないと発展していけない、と私は思い込んでいる。

選手としてJBCFを走っている私自身は、この辛い現状の影響を受けていることに気が付くこともない若手選手、ボランティア、ホビーレーサーの方々には申し訳ないと思うようになってきている。成績を重ねていけばいくほど、声が届くのではないのかと思うので、これからも変わらずJプロツアーを走っていく。

11月 28 2016

外国人選手の意見 第3回

「外国人選手の意見」を、毎回沢山の方々に読んで頂いている様でありがとうございます!

そしてその購読者の多さから、もし自分の今までの経験を日本のサイクリング界にシェアすれば、役に立つかもしれないことに気が付きました。という訳で、月刊にしようかなと思っています!これからは、毎月日本の自転車界に関する一つ一つの点を議題に、書いていこうと思います。

第三回の記事を書こうと思ったのは、偶然、私のニールプライド南信スバルサイクリングチームがよく参加する「Coupe de AACA」というレースのWEBサイトに載っている「コンセプト」の説明ページを読んだからです。そのページは、フランスで走った経験があり、同じようなレースを日本でも行おうと思いCoupe de AACAの主催者になった、加藤康則様が書いたものです。とても良い考えだと思いますので、そのレースのことをご存じではない方でも、是非ご覧になってください。

http://www.coupedeaaca.com/コンセプト

私は、そのレースに二回参加したことがあり、二つの違うコースを走りました。一つ目の長良川サービスセンターというコースは、5キロぐらいの平坦なコースで、100キロぐらい走ります。そのコースは確かに、フランスにおけるレースの展開と少し似ています。しかし、実は、毎回展開が同じであり、それに気が付く選手は、毎度必ず逃げに乗ることが出来ます。

最初は、みんなが全力で逃げに乗ろうとして、なかなか決まらない展開になっている様な時に、先頭集団が出来て逃げが決まります。なぜいつも同じかというと、スタートしてすぐ、平坦なコースでほとんど誰でも前に出られて逃げに乗ることができますが、40分ぐらいが経つと、疲れる選手と疲れない選手がおり、60名だけの集団ではとても決めやすくなります。そのことを知っている選手は、たとえ弱くても逃げに簡単に乗ることができます。

ところがそれは、フランスにおけるレースの展開は、似ているとは言ってもやはり違います。フランスでは、40分ぐらい経つと、レースの展開が変わる可能性が高いことを知っているので最初の方に動く選手と40分が経ってから動く選手がいます。だから、レースの展開を予想するのは難しいのです。。

そして、二つ目のいなべというコースは、2キロもない、コーナーと坂が多いコースです。長良川サービスセンターのコースよりキツくて、Coupe de AACAは5人くらいしか完走できないというレースなのでいつも人数が少ないレースになります。それに、意外とフランスのクリテリウムのように距離が長いので、大人数での正しい走り方が分かるチームが参加すると、簡単に勝つことができます。この手順を説明します。

最初から逃げようとします。逃げに乗っている選手の人数が他のチームの選手の人数より多くない限り、ローテーションに入らない様にします。距離が長いため、いつか必ずその状況になります。そうなると、もう一回逃げに乗っている選手達は再びアタックしさらに逃げようとします。同じチームの選手だけの先頭になるまでに繰り返します。そこで、他のチームの選手が全力で追い付こうとしている間に、メイン集団に残っているチームメートは勿論ローテーションには加わらず、他チームの選手達が疲れることを待ちます。先頭集団にメインが近づいたら、キツいところでアタックして先頭に乗ります。 こうやって、逃げに乗っている味方チームの選手の人数がどんどん多くなるとともに、相手チームは消耗している為レース展開は楽になっていきます。

その走り方をしたおかげで、このコースに2回参加して、一回目(第4戦)は1位、2位と3位になり、二回目(第7戦)は1位と2位を獲得しました。

そういえば、こういうチームでの走り方に関して、外国人選手の意見第一回ではCoupe de AACAで見てびっくりしたことを書きました。

愛三工業レーシングチームの選手達は大人数で逃げに乗ったにも関わらず、メイン集団も愛三工業の選手達が牽引し、結局私のチームメートのJayson Valadeに負けました。つまり、自分達の逃げを自分達で潰して負けたのです。 しばらくして、日本人のチームメートに愛三の選手からのメッセージを伝えてもらいました。愛三にとっては、Coupe de AACAのレースは練習レースだから、監督が指令として勝利を目指すのとは別に、全力で走ることを伝えたそうです。 しかし、練習というのはどういうものですか?練習だからこそ、みんなの力が合わせやすい、レベルの低いレースでチームとして走る練習をしないと、上のレベルではどうやって同じようなことが出来るようになるのですか?

我々は、レベルの低いレースでも、レベルの高いレースでも、良い結果を得る為に一生懸命頑張るべきだと思っています。 フランスでは、優勝を何よりも目指しています。でも、優勝することが出来ない場合もあることを考えない様にするというのは間違いです。そのように考えると、優勝がもうできないからーと、諦めてしまうことになるでしょう。20位という結果だけで満足する選手も勿論います。

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11月 02 2016

外国人選手の意見 第2回

日本は、世界のGDPランキングの中で3番目の順位です。人口は1億2700万人(フランスの倍) でありながら、ワールドツアーレベルで活躍している選手の人数は2人のみです(フランスより26倍少ない)。

現在、日本人選手でプロを目指す者ならばいつか海外へ行きヨーロッパでのサイクリング界へ挑まなければならない、それが当然のことのように考えられています。

日本では、自転車界全体のお金が無いわけではないし、才能のある選手がいない訳でもありません。毎年、さいたま市はツールドフランス・さいたまクリテリウムに世界レベルの選手を招集するために、何億円も投資しています。片山右京氏が自ら創設し指導しているチームのように、レベルの高い組織も存在しています。

では、それにもかかわらず、何故なかなか日本人の世界レベルのプロ選手が出て来ないのか?日本は一体どんなミスをしているのか?

原因はきっと色々あると思います。

まず、ヨーロッパでは自転車競技連盟が複数ある国は存在しません。日本では、2つでも3つでもなく、5つも(!!)あります。この様になっている原因は自転車の歴史、文化の違いによるものだと思いますが、最も大切なことはそれが選手のためになっているのか?ということです。エントリー費、ライセンスの申請費、レース数、組織のレベル等を見ると、選手第一で組織されているとは思えません。もちろん、これらの組織は自転車競技の発展を大切にはしていますが、結局は自転車社会の為ではなく、自らの会社のために動いているように見受けられます。

また、シマノレーシング、那須ブラーゼン、宇都宮ブリッツェンのように外国人が加入できないチームがいくつかのあります。勿論、これらのチームの指針や方針があるとは思います。国内では、彼らは最も強いチーム達です。しかし海外に出て見るとその差は大きく、上にステップアップしていく様な選手もあまりいません。例え、プロになる意欲と才能がある日本人選手がいても、この様なチームに加入すれば、国内レベルに留まってしまいます。 もしくは、海外に行ったとしてもなかなか適応できず、海外レースを走ったというだけで沢山のことを学べる訳ではありません。

日仏サイクリングクラブ結成から、ニールプライド南信スバルサイクリングチームとなるまで10年に渡りチームの母体は存続してきました。その中で、「フランス人選手と日本人選手が共に生活し日々を重ね、自転車の文化を学んでいくことができる環境を与える」というプロジェクトを継続して行ってきました。チームは今年、Jプロツアーでのチームランキングで22チーム中5位、UCIコンチネンタルチームを除いた中では一位になりました。我々の後ろにはいくつかのUCIチームがいます。それにも関わらず、日本人選手からの加入の応募は…一件しかありませんでした。

選手、連盟、他チームに考えていただきたいです。 本当のプロ選手を育てたいのならば、その高い志望に合わせて行動するべきです。

よろしくお願いします。

5月 26 2016

外人選手の意見

フランス出身の22歳のトム・ボシスです。今シーズンはジャパンプロツアーに参戦するニールプライド・ナンシン・スバルの選手だけでなく、東京都における中央大学の留学生として去年の9月に来日しました。その時から、日本語の腕を進ませると共に、JICF、またはJBCFに行われたいくつかのレースに参加しました。それで、色々な観察ができました。特に、日本人によって普通にみられること、外国人の選手によって変にみられることなどを表したいと思います。

2014年AG2Rディベロプリントチームで、または去年ルーマニアにおけるTusnad Cycling Teamコンチネンタルチームの経験で自転車文化をよく分かるようになりました。日本では、カレンダーも、レベルも、走り方も全く違いますが、それより一番驚いたのは規則のことです。

初めて日本でレースに出た時は、大学のチームでJICF のレースでした。チームメートに良く迎えてくださったが、規則のことは気にしないでサインに行きました。まず、ゼッケンは5センチ離れなければいけないように注意されたということで、付けなおした。それは、ヨロッパでもたまに言われることですが、また戻った時に、ヘルメットの中のスタンプが付いていなかったので、再びサインすることは断られました。もちろん、かぶっていたヘルメットを何度もUCIレースで使いましたが、日本では安全がもっと厳しいかもしれないかと思って、必死に使えるヘルメットを探して走り回っていった。チームメートに尋ねたら、「気にしないで、まだ使ってないスタンプが残っている」と言われて、ヘルメットに貼ってもらいました。まさかこれで行くつもりじゃないと思った。実際に、それより、ちょうど同じヘルメットを同じ人に確認されて、「ヘルメットはOKですが、ベルはどこにありますか?」と言われました。一瞬、冗談かとおもいましたが、反応がなくて、まじめに言われたと分かりました。

マジで、ベルで何をするはず?集団の前に上がるとき鳴らすはずですか?

フランスでも、規則の変な点もいくつかありますが、日本では誰にも変に見られないということに本当に驚きました。今は、ベルの話を海外の友達に語ると、笑いますが、意味がないだけではなくて、そのようなことのせいで、選手、スタッフ、組織者などが力や時間を山ほど無駄にしています。ベルの確認する内に、コースの危険な所が掃かれていないで、落車が起きてしまいます。それ以上の意味がない規則の点が溢れています。コースで何時間前でも練習できなかったり、クリテリウムやヒルクライムのエントリーを9000円払ったりするのは日本で普通なことながら、それには日本人だけ驚きません。

なんで日本は世界中の有名な選手がまだ一人もいないのですか?なぜ経済的に、発展的に日本と争っている国はレースで届けられない敵になっていますか?日本人はユロッパ人より強くない訳ではないですよね。新城幸也、別府文之のような選手の存在で、ありえないことではないとわかっていますが、小人数ですし、ワールドツアーで勝てる選手はまだいません。

日本では自転車競技連盟はいくつかあって、全員はお互いを手伝う代わりに、競争しています。それで、カレンダーは複雑で、資金が少なくなって、被害を受けているのは選手です。日本では、スポーツを始める時は大抵部活ですよね。大学を卒業するとき、仕事はスポーツより大切なことだとみられるので、プロになる可能性にもかかわらず、大半が辞めます。または、日本やアジアではプロになっても、稼げるお金が少ないし、栄光も低い。やはり、ユロッパはその利点があります。

それでも、幾人かが懸命にプロ選手になる夢が叶うように頑張っています。その選手は、敵としてジャパンプロツアーでよく会います。一生懸命努力していることが分かっていますが、間違っているところがかなりあります。栄養はほとんど悪いし、練習も適当に計画していないし、走り方も時々本当に面白いほど違っています。先週のキナンCoupe de AACAレース、決まっている14人の逃げではニールプライドのフランス人選手は2人で、愛三工業サイクリングチームの選手は5人。懸命に逃げ出そうとするより、50キロにわたってずっとお互いを追いていました。結局は、私のリーダーが優勝で、愛三の選手は2位。フランスではそういう走り方をすれば、監督に一週間ぐらい叱られます!

日本人の選手はそのようなことを意識するのかな?この状況ではニールプライドのようなフランス人も日本人も混ざっているチームが存在するのはとても良い機会だと思います。それでも、ユロッパからの志願はとても多いながらも、日本人には全然人気がありません。フランス人の選手にも、スペーン人の選手にもいっぱい習えると思います。

日本人の選手、観戦する方、興味を持つ方、レースや東京で会うのを楽しみにしています。よろしくお願いします!