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5月 15 2018

東京ヴェントス退団及び選手現役引退のご報告

東京ヴェントス退団及び選手現役引退のご報告

 

2017年9月からプレイングコーチを務めていた東京ヴェントスですが、この度4月を持ちまして退団することになりました。

3年前、2015年9月14日、ルーマニアでプロ選手生活を終え、日本の中央大学にて留学のため来日しました。そして次の日、3年後の今でもいまだに二人暮らし生活を送っている女の子と初めて出会い、この2日間で私の人生が完全に変わりました。

人生に意味を与えてくれたこの女の子が当時、辛い時期を過ごしていたこともあり、彼女の側にいるべきだと判断し、留学が終わった後でも帰国せず、受け入れてくださったこの日本にどうにか恩返しができないかを考えてみました。今まで積んできた本場の自転車プロ選手の経験を活かし、自転車を通じて日本に貢献できるよう可能性を尽くしてみました。

しかし外国人として日本に滞在できるにはビザが必要であり、ビザを獲得できるには様々な条件(最低賃金、実務経験など)を満たす雇用契約が必要です。

そんな中、2017年9月に救ってくださったのは東京ヴェントスの二戸監督です。入国管理局に何度か一緒に通ってくださった末、ようやくビザを手に入れることが出来ました。その感謝の気持ちを込めて、シーズン残すところ1ヶ月だったにも関わらず一生懸命選手生活に戻り、初戦の秋吉台カルストロードレースで11位に入り、最終戦の群馬大会までプロ時代の体力を戻すことができました。

勝ち逃げでレースを進ませていた最中のメカトラでシーズンが終わってしまいましたが、2018年こそ一勝をあげるために、冬はほぼオフを取らずに、チーム練習を指導したり、選手のトレーニングメニューを組んだり、内部の仕事をしたりと、自分の練習であろうと、チームの仕事であろうと、毎日朝から夜までチームのために頑張りました。頑張れましたのは、良い環境を与えて頂いており、感謝とモチベーションの気持ちでいっぱいだったからです。

しかし、2月からいきなり二人の即戦力の選手が怪我のため自転車を離れざるを得ない状況になり、経済状況も予想以上に辛く、そして更に自分も落車の影響で骨折してしまう等と、チームにとって厳しい状況になってしまいました。4月下旬に、二戸監督から来月から雇用するのが難しいと報告を受け、活動が出来なくなりました。

解約されるということは、ビザの有効期限内(10月まで)に新しい勤め先を見つけないと、在留できなくなるということなので、少しだけ安定してきていると思っていた私の状況が元に戻されました。その中でも、サポーターさん、スポンサーさん、チームの関係者の皆さんに恩返しが出来なかったこともあり、無償でも走り続ける提案をしましたが、拒否されました。

結局、2018年シーズンで東京ヴェントスの一員として走った公式レースは3戦のみ(14位、10位、9位)。プロ選手に相応しい練習を積み、ようやく本場プロで走っていた頃のレベルに戻ることが出来、勝利をあげるチャンスが見えてきていただけにとても残念ですが、調子が上がり切らないまま選手生活が続けられない状況になってしまい、最後のレースとなる修善寺ロードレースの9位がJプロツアー最高位のままです。そして将来のビジョンを持って一緒に立ち上げてきた今シーズンの東京ヴェントスですが、結果が出る先に私が作ろうとしたことが次々に崩れてしまい、選手の面でも、内部の面でも、完全な失敗で終わってしまったのが辛い事実です。

日本の地域密着チームの一員として活動させて頂いたことは、一生忘れられないとても充実した経験でした。特に印象に残るのは、サポーターの皆さん、チームの関係者の暖かいサポートです。短時間でしたが、良い姿を見せられた数少ない時間を誇りに思っています。期待に応えられず、何の貢献できないまま終わってしまい、誠に申し訳ございません。

誇りに思っていることは一つしかありません。一月からずっと指導させて頂いた下部育成チームヴェントスフレッチャの若手選手が、シーズンが開幕してから見事に成長しており、毎回勝利を上げていることです。彼たちの努力の結果に他ならないと思っていますが、「ありがとう」といってもらったときは、泣きそうになりました。

自転車は未だに愛しているし、今までできなかった恩返しをようやく果たしたい気持ちも未だにありますが、所属チームも、機材も、収入も、在留資格も、健康も?全て失ったので、今の状況だと競技に復帰するのはとてもあり得ないため、東京ヴェントスを退団すると同時に自転車選手を引退することになります。

これからは、彼女の側にい続けられるよう、少しだけでも安定している将来が見込められるよう、頑張っていきます。

今まで、ありがとうございました。

 

トム

 

 

 

 

 

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